山名/標高 八面(はちめん)山/659m
登山日・天候 2007年5月20日(日)・晴
行程 八面山平和公園(12:30)〜登山口(12:55)〜一の瀧(13:05)〜箭山神社(13:20)〜北峰三角点・展望地(13:30)〜小池(14:00)〜南峰山頂(14:15)〜八面山平和公園(15:30)

南峰にある大池
八面山は旧・下毛郡三光村と本耶馬渓町の間(現在はいずれも中津市に合併)にあり、どこから見ても同じような形に見えることからこの名が付けられた。独特の山容は阿蘇山の噴火によって形成された卓状溶岩台地(メサ)に由来するもの。周防灘に近く、晴れた日は山口県西部の沿岸からもよく目につく山である。耶馬日田英彦山国定公園の北東端に位置する。
別名を箭山(ややま)ともいい、その昔山中に箭柄(やがら)竹が多かったため名付けられたといわれる。また、屋根のように見えることから「屋山」と宛て字される場合もある。
南北に2つのピーク(三角点)を持ち、標高659.4mの南峰を山頂とする。このピークは「ショウケの鼻」とも呼ばれる。南峰の山頂付近には2つの池があり、大池・小池と呼ばれている。水量は豊富で、それぞれ金色川、祓川となって麓に水を落としている。
平坦で見晴らしの良い頂上部まで車道が通じ、南北両ピークを巡る登山道(遊歩道に近い)も整備されている。登山にこだわる場合、中腹の「修験の森探訪コース」から北峰・南峰をめざすルートがあるが、利用者が少なく道はやや荒れ気味。

八面山は山頂間近まで車道が付けられているが、いちおう登山にこだわり、ふもとの「八面山平和公園」駐車場から出発することにした。
この平和公園は、太平洋戦争末期、八面山上空を飛ぶ米軍機(B29)に日本軍の戦闘機が体当たりし、両機が墜落した場所。園内には慰霊碑や、戦闘機の残骸などを展示した資料館がある。
車道は舗装され道幅も十分で、歩いている間にも上り下りする車と何度もすれ違った。
30分ほどで、道端に「八面山修験の森」の看板が現れる。案内に従いイチイカシの森(県天然記念物)に入り、ようやく登山らしくなった。
しかし、一見深そうな森だが車道が近くを通っており、音だけでなくときどきガードレールや通り過ぎる車体も視界に入ってくる。道には草が被り気味、標識もやや頼りないので、いざというときには脱出することも容易な気がする。
標識がない分岐点もあったが、とりあえず上へ上へと進んでいくと「一の瀧」の前に出る。修験者が修行を行ったという滝だが水量は乏しく、水の下に立つことの方がむしろ難しい。ちなみにこの滝の源流は、頂上にある小池だとか。
滝を過ぎ、大岩の下をくぐると標識のないまま道は下りはじめ、引き返すべきかと不安になるが、次の分岐で山頂への道が示されていたので安心した。
雑木林の中、石の折り重なる道を上ってゆくと、突然!という感じで車道に飛び出す。すぐそばに「八面山駐車場」の看板。
ここは北峰の山頂部で、駐車場のそばには箭山神社入口の鳥居がある。南峰の山頂部には決まった駐車場はないので、車で山上まで来て頂上を一巡するならこちらに駐車した方が無難。
案内板によると、箭山神社は宇佐神宮の祖宮になる薦神社の奥院にあたり、宇佐神宮と同じく神功皇后、比売大神、応神天皇の三神を祀っている。開山は大宝元(701)年とされ、英彦山、求菩提山とともに修験道場として栄えていたといわれる。本殿の脇にある大岩は「鷹石」と呼ばれるご神体で、八幡大菩薩が化身したものと伝えられる。
鷹石の脇には祭祀遺跡とされる巨石群を巡り、展望所や北峰山頂(513m)を経て展望のよい広場へ続く遊歩道がつけられている。
山頂三角点の先で、遊歩道から車道に出るとテレビアンテナが立ち並ぶ広場があり、ここからは北から西にかけて雄大なパノラマが広がり、周防灘、求菩提山、犬ヶ岳、英彦山が一望できる。
見通しが良ければ本州(宇部市あたり)も見えるはずだが・・・最近は晴れても空気の霞んだ日が多い。
駐車場に戻り、車道を南峰の方に進んでいくと、間もなく道端に小さな「小池・ショウケの鼻へ」の標識が現れる。入口は不明瞭だが、数歩踏み込むとはっきりした踏み跡が見つかる。この道を辿って植林帯の中を歩くと、小池のほとりに着く。
小池からは道が左右に分かれており、周回路となっている。左回りのコースをとり、少し上った先に大きな岩が現れる。左手の岩の上に第4展望地がある。

第4展望地からの眺め。火口湖のように見える小池。国東半島はかすんでよく見えない。

第3展望地からの眺め。先日登った鹿嵐山が指呼の間。遠くには由布・鶴見岳、くじゅうがかすかに浮かぶ。

第2展望地からの眺め。耶馬溪の山々の背後に英彦山、犬ヶ岳。鹿嵐山の後ろには万年山、湧蓋山もかすかに見える。
南峰山頂からの展望は悪くはないが、展望地からの大パノラマに比べるとパッとしない。南峰頂上一周は、ゆっくり歩いても40〜50分程度。登山とは思っていなかった家族連れも多く、(疲れたから)山頂までで引き返すと言っていたお母さんに「第3、第4展望所まで回らないと損しますよ」と励ましておいた。
第1展望所を過ぎると車道終点。出発地点まで1時間かけて下った。